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【業務プロセス可視化事例】患者導線の可視化 – 北里大学病院様 2017-06-26T11:46:26+00:00

Project Description

新病院のオープンを契機に患者動線を中心とした業務プロセスを可視化。業務標準化による医療の質の向上と医療安全の推進をめざす。

学校法人北里研究所 北里大学病院(以下、北里大学病院)では、業務プロセスを可視化することで業務改革に取り組んでいる。取り組みの経緯とねらいについて話を伺った。

 

学校法人北里研究所 北里大学病院学校法人北里研究所 北里大学病院

■所在地: 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
■設立: 1971年4月
■従業員数: 1,881名(2014年5月1日現在)
■概要:  開院、1971年。神奈川県央地域の高度医療を担う北里大学病院。北里研究所創立100周年、北里大学創立50周年の記念事業の1つとして、2014年5月、北里大学東病院との医療提供体制を再編し、高度急性期医療を集約した新大学病院として生まれ変わった。最新の医療機器を多数導入し、最先端の医療を提供し、それとともに、病院の組織にも大きな変革を行い、将来にわたって大学病院、特定機能病院としての役割を果たすことのできる体制を整備している。「患者中心の医療」「共に創りだす医療」を理念に掲げ、時代の要請、社会の変化に応じ、将来に向けて発展し続けることのできる「成長する病院」を目指している。

 

もくじ
  1. 業務可視化のコンサルテーションおよびドキュメントの作成支援を依頼
  2. 新大学病院棟への移行プロジェクトの一環として業務を可視化
  3. 業務可視化手法やツール、に加え経験やノウハウが豊富なことを高く評価
  4. コミュニケーション基盤が確立され、職員の意識改革も実現
  5. サン・プラニング・システムズへの評価と期待

 

業務可視化のコンサルテーションおよびドキュメントの作成支援を依頼

– サン・プラニング・システムズに依頼した業務について教えてください。

患者サービスを中心とした「業務フローチャート作成に関するコンサルテーション」および「業務フローチャートおよび業務手順書作成の支援」を、サン・プラニング・システムズに依頼しました。端的に言えば、「業務の可視化」です。

 

– それぞれの概要について、詳しく教えてください。

具体的な内容は次の5つの項目になりますが、それぞれが連携し重なり合っている部分が多く、一連の流れの中でサン・プラニング・システムズに協力をしてもらいました。

(1) 可視化手法のコンサルティング

業務可視化の具体的な作業手法から運用方法まで、基本的なことを示してもらうと同時に、可視化の標準化に必要なルールなどをまとめる作業も支援してもらいました。また、業務の可視化に係わること全般に関して、相談に乗ってもらいました。

(2) 旧病院における業務の可視化支援

現状、すなわち旧病院での業務を可視化するため、現場の担当者にヒアリングしてもらったり、資料を読み込んでもらったりしながら、フローチャートと手順書の作成を支援してもらいました。

(3) 新病院における業務の可視化支援

旧病院における業務フローチャートと手順書をベースに、現場の担当者や事務局が中心となり新病院における業務を標準化していったのですが、その際、フローチャートと手順書の作成を支援してもらいました。

(4) 新病院における新業務の実施支援

新病院に移行するにあたり、事前にリハーサルを実施しました。その説明会の資料やシナリオを業務フローチャートと業務手順書をベースに作成してもらいました。

(5) フローチャートと手順書を作成・共有するツールの提供とサポート

業務フローチャートと業務手順書を作成するツールとして「BPR+」を、作成したドキュメントを共有・閲覧するシステムとしてドキュメント共有サーバ「iGrafx Process Central」をサン・プラニング・システムズから提供してもらい、使用方法のトレーニングやシステムの構築なども支援してもらいました。

 

業務フローチャートのサンプルイメージ(BPR+)

業務フローチャートのサンプルイメージ(BPR+)

業務手順書のサンプルイメージ(Microsoft Excel)

業務手順書のサンプルイメージ(Microsoft Excel)

ドキュメント共有画面(メニュー)のサンプルイメージ(iGrafx Process Central)

ドキュメント共有画面(メニュー)のサンプルイメージ(iGrafx Process Central)

 

新大学病院棟への移行プロジェクトの一環として業務を可視化

– なぜ、業務の可視化に取り組んだのでしょうか。

2014年5月に開院した新病院への移行プロジェクトの一環として、業務の可視化に取り組みました。その目的は、常に業務の改善を進めながらあるべき業務の姿を追究し、「医療の質の向上と医療安全の推進を図るための環境を確立すること」にあります。

さらに、今回は、混乱やリスクを防ぎ、スムーズに業務を移行するという目的もありました。新病院へ移行してから新たに業務を組み立てるというわけにはいきませんので、事前に新しい業務手順を確立し、完全な業務体制でスタートを切るためには、業務を可視化して共有することが有効だと考えました。

 

– これまで取り組んできた、医療の質の向上・医療安全の推進と業務可視化は、どのような点が異なるのでしょうか。

これまでも、各部署やグループ、個人で個別に業務の最適化・適正化には取り組んできました。しかし、それぞれがバラバラに行われてきたので、病院全体で見たとき、もしくは患者サービスという視点で見ると、どうしてもムリ・ムダ・ムラが生じていました。

たとえば、手順書やマニュアルと呼ばれるものはありましたが、それぞれ目的が異なり、部署ごとでバラバラに作成・管理されていました。そのため仮にマニュアルを見ても、ほかの部門やグループの業務を理解することは難しく、リスクの発生や患者サービスの低下を招きかねない状況も見られました。

そのような状況を新病院の業務に引きずってしまうわけにはいきません。病院全体として最適化・標準化する基盤を確立、いわば統一することで、特定の関係者や部署だけでなく、すべての病院関係者が共通認識としてあらゆる業務を理解できるようにしたいと考えました。また、ローカルルールを排除し、病院としての業務標準化を進めることが、 部門間の連携強化や潜在的なリスクの発見にも繋がるとも考えました。

 

業務可視化手法やツール、に加え経験やノウハウが豊富なことを高く評価

– サン・プラニング・システムズに業務の可視化を依頼することになった経緯を教えてください。

当院では業務を可視化した経験がなく、経験者もいませんでした。いろいろと調べる中で、具体的な手法や導入方法が不明確だったり、ツールの使い方や運用方法が複雑だったり、なかなかしっくりとくるものやシステムが見つかりませんでした。

サン・プラニング・システムズのことはネットで調べ、「業務可視化セミナー」に参加しました。可視化に関する経験やノウハウが豊富で、ツールの提供を含め、導入に関するコンサルテーションから業務可視化の支援、導入後の運用支援まで、総合的に対応してもらえるということだったので、当院のように何もないところから業務の可視化を支援してもらうパートナーとしては最適だと考えました。

また、院内のリソースで運用することを前提に考えていましたので、手法が明確という点やツールも使いやすいという点も考慮し、セミナーが終わった後すぐに相談に乗ってもらうことにしました。

 

– 業務可視化の支援を依頼することにした決め手があれば教えてください。

セミナーを聞いた時の評価が、サン・プラニング・システムズに依頼をすることにしたポイントになりますが、正直、医療業務の専門家ではないので、コミュニケーションが取れるか不安もありました。

そこで試しに、業務の流れを説明してフローチャートにしてもらったのですが、その場ですぐにフロー図ができあがる様子を見て、これなら大丈夫だと確信しました。

 

コンサルタント 三澤 順

コンサルタント 三澤 順

担当コンサルタントの声

業務可視化に関する相談を受ける際、業界や業種に関する専門知識の有無に関してお問い合わせを受けることがあります。しかし、結論から言うと、業界や業種が異なっても、業務を可視化するときにするべきことや手法は変わりません。もちろん、専門知識が不要だとは言いませんが、どの業種でも、どの会社でも、業界特有もしくは会社特有の習慣や考え方、専門用語があり、それを含め業務を可視化するための支援をしています。むしろ、「部外者」だからこそ見えることもあり、業務可視化の先にある、標準化・最適化という場面でお役に立てることも少なくありません。

 

コミュニケーション基盤が確立され、職員の意識改革も実現

– 業務可視化の導入効果について教えてください。

「医療の質の向上と医療安全の推進を継続的に行っていくことができる環境を確立する」という理念が果たされるかどうかは、これからの運用や現場の努力にもかかってくると思いますが、まずは共通のコミュニケーション基盤が確立されたことで、他部署や社外の協力会社へ業務の内容や考え方を伝えやすくなりました。新人教育の場面や情報システムの構築などを行う際には、その成果をより実感できると期待しています。

また、これまで漠然と不安や不満に思っていたことや、なんとなく回避してきたリスクを明確に説明・把握できるようになり、効率化や省力化、リスク排除に関して議論がしやすくなりました。それは、職員の意識改革という成果にも繋がっています。

これまでは、極端な言い方をすれば「やらされていた」、「自分に直接関連する業務が上手くこなせればいい」という感覚は少なからずあったと思います。しかし、直接関係しない業務でも自分の業務改善やリスク回避に繋がる関連性が見えるようになり、自分の考えや思いを伝えやすくなったことで、より広い視野で、積極的に業務の改善に取り組む様子がうかがえるようになりました。

一方、患者様に迷惑をかけないよう「新病院でスムーズに業務を開始する」という短期的なねらいについては、業務の可視化が大きく貢献したと考えています。

もし、業務を可視化していなければ、既存の業務の非効率な部分やリスクを内在したまま、新病院における業務を開始しなければならず、さらなるリスクの発生や予想外のトラブルに見舞われていたと思います。業務を可視化し、その内容を見直し、リスクを洗い出し、改善してきた経緯があるからこそ、それを強く実感しています。

現場の医療従事者はきわめて多忙であるうえ、通常業務に就きながら新病院での準備を進めなければならず、予定通りに進まないことや想定外のことが起こることも数多くありました。当然、新病院における業務を開始するにあたり、不安もあったと思いますが、事前に標準となる業務フローや手順が示されたので、準備をスムーズに進めることができました。事前の説明会やリハーサルもスムーズに進み、新病院での業務開始後も大きな混乱は見られませんでした。

 

サン・プラニング・システムズへの評価と期待

– 今後の展開について教えてください。

はじめての取り組みであり、大きなプロジェクトの混乱の中、限られたスケジュールでの対応が必要だったので、業務フローチャートや業務手順書の作成に関する実務もサン・プラニング・システムズにお願いしましたが、今後は追加・修正など院内で運用できる体制を確立していきたいと考えています。

また、業務を可視化した範囲は限られていますので、さらに適用業務を広げることができればと思っています。

 

– サン・プラニング・システムズに対する評価をお聞かせください。

専門家からの指導やアドバイスを受けたことで、スムーズに可視化の作業を進めることができました。病院の業務は専門用語なども多いので、事前の準備は簡単ではなかったと想像しますが、その点に関してもスムーズに対応してもらえました。

また、それとは逆に、多種多様な業種や業務における経験やノウハウから生まれるアドバイスが、ついつい自分たちの慣習や慣例に縛られてしまいがちな私たちの視野を広げてくれました。サン・プラニング・システムズに依頼して本当に良かったと思っています。

お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

 

* 取材日時 2014年12月
* 北里大学病院様のサイト
* 記載の担当部署は、取材時の組織名です。